大きな瞳に鼻筋が通った鼻、淡いピンク色の唇、そして綺麗な横顔。

兄の顔も彼の顔と同じ特徴をしているけれど、兄はキリッとした印象で、彼は上品で柔らかい印象だ。



「ご、ごゆっくり……」



パッと目を逸らして蚊が鳴くような声で言い残し、急いで部屋のドアを開けたが、



「あっ! 待って!」



逃げるように部屋を出ようとしたところを呼び止められてしまった。



「自己紹介してなかったね! 俺、お兄さんと同じ高校の西尾東馬! よろしくね!」

「し、清水実玖です……。よろしくお願いしますっ」



ゆっくりと振り向き、大きな瞳を三日月のように細めて優しく笑う彼に小さな声で名乗った。


私と同じ高校なんだ……。


少し顔を上げ、視線の先にある彼と恐る恐る顔を合わせる。


……この先輩、私とほぼ同じ背丈だ。
ってことは、170前後?

でも、今の自分は姿勢が悪いから、もしかしたら先輩のほうが少し低いかもしれない。