「今頃あの2人、ラッブラブな時間を過ごしてるんだろうな~」

「どうだろう。本人に聞いてみないことには……」



日が落ちて少し暗くなった道を歩いていく。


綿原さんは今まで男性関係で傷ついてきたから、恋愛に対して臆病になっていることも考えられる。

だけど、抱きしめられても全然嫌がってなかったし、むしろ受け入れてた感じがした。


ってことは、綿原さんも怜也のことが好きなのか……?

だとすると、あの2人は両想い……?



「東馬もあの2人を見習って、実玖とスキンシップ取ったら? 付き合ってるんだから遠慮しなくていいんだぞ?」

「なんで見習わなきゃいけないんだよ」



そう返したけど、本当はもう1回、あんな風に抱きしめたい。

だけど、いくら人気がないからって、あんな公園のど真ん中で抱擁できるか!


ああいうのは、家とか校舎裏とか、倉庫裏とか!
誰にも見られないような場所でやるやつだよ……!



「おやおや? 何想像したのかな?」

「っ……う、うるせぇ!」



顔を覗き込んできた景斗の広い背中をベシッと叩いた。


あぁもう、想像しただけでこんな顔熱くなるなんて、余裕なさすぎ……。

実玖ちゃんとキスする日は、もう少し先になりそうだ。



おまけ編 おしまい