褒め上手な先輩の「可愛い」が止まりません

「あ、ごめんね。話したいことがあったんでしょ?」

「っ、はい……」



本題に引き戻され、身体中に緊張が走る。

そうだよ。ただ話しに来たんじゃなくて、告白しに来たんだから。


フーッと息を吐いて、速まる胸の鼓動を落ち着かせる。



「いきなりですけど……私、西尾先輩のことが好きです」



震える声で真っ直ぐ言い放つと、案の定目を丸くされてしまった。


この後の返事はもうわかってる。

だけど、ちゃんと聞かなきゃ。


なのに。



「っ……」



その直後、涙が頬を伝った。



「実玖ちゃん……」

「ごめんなさいっ。その、気持ちを伝えたかっただけなので……っ」



どうしよう、全然止まらない。

泣いたら困らせるだけなのに。

早く泣き止まなきゃ。これじゃ先輩が返事できない。


もう1度謝ろうとしたその時、グッと体を引き寄せられた。



「俺も実玖ちゃんが好きだよ。付き合ってください」



え……? 今、何て……。

ゆっくりと体を離し、お互いに見つめ合う。



「どうして……? 誰とも付き合わないんじゃ……」

「うん。確かに付き合わないようにしてたよ。でも今は違う。実玖ちゃんのこと、誰にも渡したくなくて、大切にしたいんだ」