褒め上手な先輩の「可愛い」が止まりません

そして、いよいよ自分の番。

歩き出そうとしたその時──。



「実玖ちゃん、いってらっしゃい」



ポンと背中を叩かれた。


ありがとうございます。いってきます。



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──



「清水さん! こっちこっち!」



ランウェイを歩いた後、体育館裏に設置されたテントに入り、急いでドレスに着替える。


歓声を上げるお客さん。

立派なカメラを持って撮影する写真部の人達。

真正面の席で満面の笑みで手を振っていた可南子。


大勢の人から注目されてたけど、不思議とリラックスして歩けた。

西尾先輩に最後背中叩いてもらったおかげかな。



「足元気をつけてね」

「はいっ」



ドレスに着替え、手芸部の生徒に誘導されながら、慎重にステージ裏へ移動。


洋服に比べてドレスはゆっくり歩くため、さっきよりも長い時間注目を浴びることになる。


注目されることよりも、階段を上手く下りられるかが心配。


でも、リハーサルで何回も練習したし、きっと大丈夫!