褒め上手な先輩の「可愛い」が止まりません

「緩むどころか真っ赤になっちゃうよ」

「アハハ! それもそっか!」



可南子の言った通り、好きな人のことを考えれば緊張が和らぐかもと思って、家で練習してみた。


のだけど……鏡に映っていたのは頬を赤らめた顔。

考えれば考えるほど、顔は赤くなって体温は上がって……と、逆効果だった。


自分にはこの方法は合わなかったみたい。他の手を打たねば。



可南子と別れた後、ショーの準備をしに被服室へ。


ファッションショーは午後2時から30分間。

前半と後半に別れており、先にリメイク服のショー、その後にドレスショーを行う。


体育館まで距離があるので、ネタバレしないように黒いマントで全身を覆って移動するらしい。



「お、その服いいじゃん。肩寒くないか?」

「うん、平気。短時間だけだし」



準備を終わらせて鏡の前で写真を撮っていると、派手めの白黒の服を着た兄がやってきた。

少し肌寒いけど、長袖だし。
今日は天気も良くて暖かいので、耐えられないほどではない。



「どう? 俺の服は。似合う?」

「う、うん……」



目を凝らすと、存在感強めの服の正体が牛柄だと気づいた。

今年もアニマル柄なのか。


というか、この服ってリメイクしたんだよね?
一体誰がこんな派手な服を持ってきたんだろう……。