褒め上手な先輩の「可愛い」が止まりません

フフフと笑っている可南子と、なぜか感動している様子の須川くん。

「可愛い」は何度かあるけど、「かっこいい」は生まれて初めて言われたよ……!



「そんな……私からしたら、可南子と須川くんのほうが何倍も優しくてかっこいいよ」

「やだもう! やっぱ実玖最高! 大好き!」

「……ありがとう清水さん」



テンションは違えど、頬を赤らめて嬉しそうな顔をする2人。

その顔が可愛くて、こっちも自然と頬が緩む。

可南子と須川くんと友達になれて本当に良かった。



──放課後。


兄から「話がある」と連絡が来たので、ホームルーム後、待ち合わせ場所の中庭へ向かった。

昨日の出来事について話し合いそうな予感……。



「清水さん」

「はい? あ……」



ベンチに座って待っていると、現れたのは兄ではなく草山先輩だった。



「待たせてごめんね。お兄さんに頼んでもらったんだ」

「そう、なんですか……」



突然現れた彼女に戸惑いつつ頭を下げる。


……気まずい。

昨日の別れ際が最悪だったから、どんな顔をしたらいいのか……。


もう、お兄ちゃんってば先に言ってよ。