褒め上手な先輩の「可愛い」が止まりません

「そっか。だからあんなに焦ってたのか……」



説明を聞いて、腑に落ちたように呟いた須川くん。


先輩が血相を変えたのも、須川くんが私のクラスメイトだと知っていたからだと思う。

自分が何かしたってバレるのが怖かったんじゃないかな。……もうバレちゃったけど。



「言いがかりつけられたことは誰かに話した?」

「いや、睨まれたことだけは雪塚先輩に話したよ」



1人で抱え込むなって言われてたけど……。

ただ睨まれただけで、悪口を言われたわけじゃない。

だから相談するほどでもないと思って、誰にも言わなかった。



「……実玖、今の話本当……?」



振り向くと、ドアの隙間から兄が呆然とした顔で覗き込んでいた。

汗で濡れた前髪から、ここまでダッシュで来たことがうかがえる。



「う、うん……。いつからいたの?」

「『さっき草山先輩と話したんだ』ってところから」



あぁ……よりによって話し始めるところから聞かれてたなんて……。

すると。



「……もしもし? 部活中にごめん、草山さんいる?」



いきなり電話をかけ始めた。

草山先輩って……まさか、ここに呼び出すつもり⁉