褒め上手な先輩の「可愛い」が止まりません

「『出張でいません』……⁉」



膝から崩れ落ちそうになるのをこらえるようにドアに寄りかかる。

森先生がいないなら職員室に行くしかない。



「あれ……? 清水さん?」

「須川くん……」



壁に手をついて歩いていると、職員室から出てきた須川くんを見つけた。

パタパタと駆け寄ってきた彼に安心感を覚え、全身の力が一気に抜ける。



「どうしたの⁉」

「足……捻っちゃって……」



事情を説明し、彼に支えられながら職員室へ。

先生から応急手当を受け、彼に被服室から荷物を持ってきてもらった。



「お兄ちゃん、あと10分くらいで来るって」

「そっか、良かった」



1人で帰るのが難しかったので、先に帰った兄に迎えに来てもらうよう頼んだ。


現在、応接室のソファーに須川くんと座っている。

先に帰ってもいいのに、お兄ちゃんが来るまで待ってるって。優しいなぁ。



「まさか職員室にいたとはね〜」

「あぁ、プリント出し忘れてたの思い出して持っていったんだ」

「へぇ、須川くんでもうっかりすることあるんだ」



応接室に和やかな空気が流れる。

2学期の委員長は別の人になったのだけど、委員長の指名で、須川くんは副委員長に選ばれたのだ。