褒め上手な先輩の「可愛い」が止まりません

──夜8時。

帰宅し、雪塚先輩を見送って家に入った。

先に帰宅していた両親から、もうすぐお風呂が沸くとのこと。



「あ、俺入るから。東馬が入ったらすぐ入れよ」

「わかった」



部屋から出てきた兄に返事をして、自分の部屋に入る。

そうだった。今日西尾先輩が泊まりに来てるんだった。


……ちょっと待って。
東馬が入ったらって、先輩が入った後に入るの⁉


カーッと顔が熱くなる。


落ち着け! 先輩が湯船に浸かるとは限らない!
お兄ちゃんみたいにシャワーで済ませるかもしれないし!

……って! 私は一体何を考えてるの⁉


火照った顔と頭を扇風機で冷まし、西尾先輩に顔を見られないように急いでお風呂に入った。



────
──



「んー……」



就寝中、あまりの暑さで目が覚めた。

あ、タイマー切れてる。


ベッドから起き上がって再びエアコンのスイッチを入れ、スマホで時間を確認する。


うーん……2時半か。

このまま寝ようかなって思ったけど……暑くてすぐには寝つけないだろうな。

のど渇いたし、お茶でも飲もう。