褒め上手な先輩の「可愛い」が止まりません

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「遊びに来るのと泊まりに来るのは違うんだから、ちゃんと伝えなきゃダメだよ?」

「そうだぞ! 景斗だって、今日雪塚さんが来てビックリしただろ?」



今、兄は雪塚先輩と西尾先輩からお説教を受け、オフモード姿で反省中。



「……黙っててごめん」

「……いいよ別に」



黙っていた理由は「ビックリさせたかった」という、子どもじみた理由だった。

正座している兄の顔を見ると、今にも泣き出しそうな顔をしている。


プライド傷つけちゃったかな……ごめんね。



「さ、仲直りもできたことだし、宿題の続きしよ!」



パンパンと手を叩いた西尾先輩の合図で机に向かう。

テーブルの上には、お菓子とジュースと箇条書きしたメモ用紙が置いてある。


んーと?

1日目が海鮮丼、2日目がジンギスカン……?



「もしかして、妄想旅行の計画立ててるの?」

「そうそう! 雪塚さんはどこに行くか決めた?」

「北海道だよ。ここに来る前に図書館で観光地調べてたんだ」



盛り上がり始めた雪塚先輩と西尾先輩。


ん? じゃああのメモは……。



「えっ、雪塚さんも北海道なの⁉」