褒め上手な先輩の「可愛い」が止まりません

ご機嫌口調で話す母に目を見開く。

西尾先輩が遊びに……⁉ なんでよりによって今日なの⁉



「お兄ちゃんから聞いてないの? 今日泊まりに来るって」

「と、泊まり⁉」



問い詰めると、『お盆休み、何も予定がなくて暇だから家に泊めていい?』と相談してきたんだそう。



「知らないよ! 今初めて聞いたよ⁉」

「えっ、そうなの⁉ はぁ……あの子ったら。でも顔見知りなんでしょ? 今日だけだから我慢して。雪塚さん、ゆっくりしていってね」

「あっ、ちょっと待ってよ!」



混乱する私をなだめるよう言い残した母は、そのまま父と一緒に車に乗って買い物へ行ってしまった。



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お菓子とジュースを持って2階へ上がる。


酷いよお兄ちゃん。なんで私にだけ教えてくれなかったの?

何度も家に呼んでるから、泊まらせても大丈夫だろうって思ったのかな。


階段を上がるにつれ、大きくなる兄の笑い声。
じわじわと怒りが込み上げる。

もう……! 私の気も知らないでゲラゲラ笑って……!



「っ……お兄ちゃんのバーカ!」