褒め上手な先輩の「可愛い」が止まりません

すると、ちょうどリビングを後にする父に出くわした。

お母さんに言おうと思ってたけど……お父さんでもいっか。



「あのさ、来週の金曜日、お昼から部活の先輩呼ぶんだけど、いい?」

「金曜のお昼からね。はいはい了解で~す」



許可を取ると、父はあくびをしながら去っていった。

いつもより口調が軽い気が……もしかしてお酒飲んだのかな?

でもちゃんと返事したし……大丈夫だよね。



────
──



「席取っておいてくれてありがとう」

「いえいえ……急いで来たんですか?」

「うん……だって家出る時に連絡が来てたから……」



翌週の金曜日。

待ち合わせ時間の10分前に、雪塚先輩が息切れしながらやってきた。


夏休み真っ只中、勉強する学生が増えて座る場所がなくなると思って、席を取りに図書館が開く時間に着くよう家を出たのだ。


移動距離がそこまで長くないから、自転車で行こうって話してたけど……相当かっ飛ばしてきたんだろうな。



本を取りに向かった先輩を見送り、再び手元の本に目を通す。

今日は最後の宿題、読書感想文に取り組む予定。
章ごとに感じた点をメモしながら読み進めていく。