褒め上手な先輩の「可愛い」が止まりません

胸がトクンと小さく音を立てる。


あぁもう、その三日月スマイルはズルいですって。

何度も自分に言い聞かせたのに、私の心を揺さぶらないでください。



「よし、じゃあ、デートの仕切り直しといきますか!」

「……へ⁉」



突然勢い良く立ち上がった先輩。


待って待って、今、ハッキリとデートって聞こえたんだけど……。

聞き間違えじゃあ、ないよね?


私の驚く声で気づいたのか、先輩は一瞬フリーズした後、気まずそうに顔を逸らしてしまった。



「い、行こっか」

「はい……」



チラッと見えたその顔は、心なしか少し焦っているよう。


私のこと、ひとりの後輩としてしか見てないはずなのに。

どうして頬が赤くなっているの……?







「ただいま~」



6時に帰る予定だったけど、話が盛り上がって少し遅くなっちゃった。

結局西尾先輩は、デートという単語に触れることはなかった。


すごく楽しかったけど……どうしてもあの照れた顔が頭から離れない。

先輩の瞳に、私は一体どう映っているんだろう。


友達の妹? 趣味が合う後輩?
……わからない。