褒め上手な先輩の「可愛い」が止まりません

「もう数年経っているのに、顔を見た瞬間、動悸がして……。少しは男子に慣れたかなって思ってたんですけど……結局、昔の弱い自分のままでした」



涙がこぼれそうになるのを唇を噛んでこらえる。



「実玖ちゃんは全然弱くないよ。だってさっき、ハッキリ言い返せてたじゃん。本当に弱かったら、あんなに強く言い返せないと思うよ? 昔の自分よりも強くなった証拠だよ」



違う。言い返すことができたのは、私が強くなったからじゃない。

先輩に誤解されたくない一心で。
先輩がいたから言い返すことができたんです。


そう言いたい気持ちをグッと抑えて呟く。



「強く……なれたんですかね」

「うん! 今俺と話せてるってことは、苦手を克服できているってことじゃない?」



どうしてだろう。
前は緊張して心臓がバクバクしていたのに。

今は自分でも不思議なくらい落ち着いている。


こんなにも優しくて後輩思いの人を、雰囲気が似てるからと、勝手に彼と重ねた自分が急に恥ずかしく思えてきた。



「ありがとうございます……」

「ん。大丈夫。実玖ちゃんはとても素敵だから! 自信持って!」