褒め上手な先輩の「可愛い」が止まりません



部活体験と新入生だけの集会が終わり、放課後に。



「ねぇ、早く終わったから少し寄り道して帰らない?」

「いいね! いこいこ!」



可南子に返事をし、ルンルン気分で帰る準備を始める。

中学の時は制服のまま寄り道が禁止されていたから、こういう青春っぽいの憧れてたんだよね。


しかし──。



「失礼しまーす。実玖、帰るぞ」



突然ドアが開く音が聞こえて顔を上げると、そこにはなぜか兄の姿が。

なんで⁉ クラス教えてないのに!



「おい、帰るぞ」

「なんでいるの⁉ クラス教えてなかったよね……⁉」

「対面式で2組の紹介の中にいたから。ったく、早く教えろよ。何かあったら困るだろ」



ざわつき出すクラスメイト達。


その理由は、お兄ちゃんはこの学校で人気者だから。


人と話すのが好きで友達を作るのが上手く、全学年に知り合いがいる兄。

そのため帰宅部でも、美術部をはじめとする他の部活の人とも仲良し。


おまけに先生とも仲がいい上、なんと他校にもたくさん友達がいるという。

同じ中学出身の人から、他校出身の人までと、幅広い交友関係を持っているんだ。