褒め上手な先輩の「可愛い」が止まりません

商品のタグを確認すると、メンズのLサイズと書かれてあった。


……ここ、メンズ服売り場だったのか。

Lサイズは大きいけど、私の身長ならSサイズでもいけるかもしれない。



「あれ……? 清水さん?」



シャツを戻したその時──自分より少し高い背丈の男の人が声をかけてきた。



「久しぶり。俺のこと覚えてる?」



ポンパドールヘアに、不思議な柄のシャツを着ている彼。

この優しそうな笑顔と雰囲気……。



『清水さん、俺引っ越すからさ、最後に春休みに遊びに行かない?』

『俺、清水さんのことが好きなんだ』



まさか……。



小山(おやま)先輩……?」

「当たり! 元気だった?」



心臓がドクンと大きく音を立てた。

なんで……なんで先輩がここにいるの?
転校したはずじゃ……。



「……なんでここにいるんですか」

「久しぶりに地元に帰りたくなって遊びに来たんだ。まさか清水さんと会えるなんてビックリだよ」



バクバク鳴る心臓を震える手で押さえる。



「ってか1人? 時間あるなら……少し話さない?」

「いやっ……!」



笑顔で腕を掴もうとしてきた彼に恐怖を感じ、咄嗟に後ずさりする。