褒め上手な先輩の「可愛い」が止まりません





「えっ! お父様の仕事のこと、誰にも言ってないんですか⁉」

「うん。知ってるのは身内くらいで、今のところ、実玖ちゃんにしか話してない」



書店を後にし、服屋さんに向かっていると、またも衝撃的事実を知ってしまった。


先輩のお母さんは、去年のファッションショーでウォーキングを指導したのもあり、元モデルだと知っている人が多いらしい。


しかし、お父さんは芸能業界に深く携わっているため、情報が流出しないよう秘密にしているんだそう。


本当は母親のことだけを伝える予定だったみたいなのだけど……父親の仕事の腕を褒められて嬉しかったらしく、私にだけ特別に打ち明けたんだと。


私のこと、信頼してくれているんだ。



「ご両親共忙しいのなら、昔から1人で過ごすことが多いんですか?」

「仕事によるかな。大体1人の時が多いけど、家族全員揃ってる時もあるよ」



もしかして、よくうちに遊びに来てるのって、家に誰もいないからなのかな。


お互いの部活の話や夏休みの話で盛り上がっていると、あっという間に着いた。

まずは入口付近に売られている服を数種類手に取り、鏡の前で合わせてみる。


うーん……なんかピンとこないなぁ。

多分、夏服の色合いが文化祭の季節に合ってないからだと思う。