褒め上手な先輩の「可愛い」が止まりません

──十数分後。



「私は実玖ちゃんとお兄さんを描いてみました~」

「「わぁ……! 似てる~!」」



各自絵が完成し、見せ合う。

雪塚先輩は、私達兄妹の似顔絵を描いてくれた。

ポップで可愛いらしい画風に頬が緩む。



「これ、プレゼントするね」

「えっ! ありがとうございます!」

「ありがとう雪塚さん! 家宝にするよ!」



やたら感動している様子の兄。

よく見ると、心なしか顔がほんのり赤く染まっている。


あぁ、なるほど。先輩のことが好きなのか。



「実玖ちゃんは?」

「私はお花のドレスを描きました!」



私は春の花をイメージしたドレスを描いた。

白黒でわかりにくいけれど、黄色の布地に赤やピンクの花をイメージしている。



「わぁ、可愛い!」

「おぉ〜。確かに可愛いけど、白黒だとちょっと地味だな」

「しょうがないでしょ。そういうお兄ちゃんは、これ何? 花?」

「あぁそうだ。バラの花だ」



えっ、バラ⁉ これが⁉



「あ、ちなみに右がバラで、左がカーネーションね」

「「…………」」