褒め上手な先輩の「可愛い」が止まりません

──キーンコーンカーンコーン……。



「……1時間目が終わったら全部吐けよ?」

「……はい」



授業開始のチャイムが鳴り、景斗は俺を脅して席に戻っていった。

……これはもう、怒鳴られるのを覚悟で話すしかないな。




「────さぁ、東馬くん、詳しく聞かせてもらおうか」



1時間目が終わった瞬間、景斗は俺を廊下に連れ出し、鋭い眼差しで問い詰めてきた。

周りに人がいないかを確認し、先週あった出来事と、今朝、須川くんと雪塚さんと話した内容を説明した。



「大事な妹の元気を奪ってごめん」

「なんだ、そういうことかよ」



「もう……」と口を尖らせ、景斗は廊下の窓を開けて風に当たり始めた。

良かった。怒鳴られずに済んだ。



「あいつ、家では普通に元気だったぞ? 飯モリモリ食ってるし、毎日絵も描いてるし」

「そうなの……?」



教室でも部活でも、家でも元気。
だとすると……これはもう、100パーセント俺が原因だ。



「雪塚さんが言ってたのは、遠回しに、『東馬に話しかけられると周りの視線を集めるから、特に用がない時は話しかけるな』ってことだよ」

「はぁ⁉」



雪塚さん……いや、実玖ちゃんがそんなことを⁉

いやいや、景斗は口調が少しキツいだけだ。
心優しい実玖ちゃんに限ってそんなことは……。