褒め上手な先輩の「可愛い」が止まりません

「こんにちは」

「っ、こんにちは……!」



夢中になっていると、突然左隣に女子生徒が座ってきた。


サラサラのロングヘアが特徴の綺麗なお姉さん。
清楚な雰囲気とともに知的な雰囲気もまとっている。

なんかいい匂いがする。この匂いは石鹸かな?



「おー、相変わらず細かいなー」

「ちょっと! 勝手に見ないでよ!」



香りと美しさにうっとりしていたら、右後ろから兄がまじまじと絵を覗いてきた。



「なんでまだいるの⁉」

「なんでって、今日は緊張している引っ込み思案の実玖ちゃんのサポートをするためにここにお邪魔してるんだよ」



「ありがたく思え」と上から目線で言い切り、そのまま右隣に腰を下ろした。


サポート⁉ 余計なお世話だよ!


……と思いながらも、正直ホッとしている。

さっきも、自分1人じゃ先輩達の勢いに呑まれてただろうし。



「はじめまして。景斗(けいと)くんと同じクラスの雪塚 葵(ゆきづか あおい)です。実玖ちゃんって呼んでいい?」

「あっ、はい……!」



左隣に顔を向けると、優しく笑った彼女と目が合った。


いいなぁお兄ちゃん。
こんなにもお上品で美しい先輩と同じクラスだなんて羨ましい。


兄も加わり、雪塚先輩と3人で会話しながら絵を描いていくことに。