婚約者は不器用で優しい王子様


考えても仕方が無いのでとりあえず部屋に行ってみた

「俺だ。少し中に入れてくれるか?」

声をかけてドアを開けようとしたら鍵がかかっていたので開けてくれるのを待つ

弱った姿を見せればかまってくれてるって思ってるのか?

いや、でも本当に泣いているのか?

でもなんで…

考え込んでいるとやっと鍵を開けた音がした後にドアが開いた

そこには泣いた女がいた

無意識に手首を掴んで

「やっぱりな」

どうせかまって欲しくてだろ…








でも本当に悲しんでいるように見えるのは何故だろう…

ほんとに悲しいのか…

「お前泣いているだろ」

「違います!違います!あっ!気分が悪いのでやすんでますね!私の事は気にせず夕食、食べてください!それじゃぁ!」

手首を掴んだ腕を離されそうになったけど、その力は弱々しくて…

泣いている理由を知りたくて、泣き止んで欲しくて…


無意識に身体を押し込んで


「なんで泣いてるんだ?」

と聞いていた