<那月side>
俺はいつも1人だった
一人だったといっても別に物理的に1人だった訳じゃない
学校に行ったらクラスメイトだっているし、家に帰ったら使用人だっている
でも両親は大きな財閥の頂点にたっていて、色んな事業をしていて、1週間に1回会えればいいほうだった
使用人だって俺の身の回りを世話するただの人だった
学校に行っても金目当てで近づいてくるやつか、距離を置くやつかのどっちかだった
俺の後ろにある金だけ見て俺自身を見てくれない
俺には親愛だって友愛だってなくて、あるのは金だけ
だから心の中は一人ぼっち
悲しかったけど、小学校の上級生に頃には全部諦めていた