「違います!違います!あっ!気分が悪いのでやすんでますね!私の事は気にせず夕食、食べてください!それじゃぁ!」

慌てて言い訳の言葉を並べて

腕を無理やり振りほどいてドアを閉めるつもりだった

けれど男の子の力に勝てるわけもなく腕は振り解けなかった

それどころか、私の身体を押して部屋の中に無理やり入ってドアを閉めてしまった


「なんで泣いてるんだ?」

「泣いてませんよ!ごごっゴミが目に入ってこすっちゃっただけですよ!」


我ながらいい言い訳だ!

これなら信じてくれそう

「擦っただけでは目はそんなに腫れない。」


えっ?信じてない?

これ以上どうすればいいかわからない

「ごめんなさい。本当に泣いてなんていなくて…本当に違くて…」

何故ここに来たのかはわからない。

でもなんだか掴まれている手がなんだか暖かくて少し怒っているような表情が悲しくて

無意識にまた涙がこぼれた。

「ごめんなさい…本当に違うんです。ごめ…」


「謝って欲しいわけじゃない。理由を説明しろ」

宥めるような言葉と優しく頭を撫でてくれる手が少し話してみようかなと思えた


「怒りませんか?」

「時と場合によるな」

「えっ?…」

「分かった。怒らないから話してくれ」

怒らないなら少しだけ話してもいいかな…



「玄関で無視されたのがすこーしだけ悲しくて…嫌われちゃったのかなとか、追い出させないかなって心配になっちゃって…

もう泣かないから!嫌われないように頑張るから、私にチャンスちょうだい。お願いだから私をここに居させて…」


少しだけ話そうと思ってたのに

素直な感情が口からポロポロ出てきてしまう