<雅side>
5:00
私の一日は家族の朝の支度から始まる。
六時ごろ起きてくる父にはコーヒーを、少し遅れてくる義母には紅茶を出す。
それが終わればすぐさま双子の妹の絆奈(きずな)と弟の絆也(きずや)の朝食の準備に入った。
2人が起きて朝食を食べ始めたことを確認すればここからがやっと自分の時間だ。
制服に着替え、念のためエプロンをつけておく。
このエプロンも随分長いことつかってるな…
両手で裾をもって全体を確認してみればたくさんのシミや黄ばみが目立つ
長年使っていたエプロンを懐かしんでいると突然、父の大きな声と私を呼ぶような声が聞こえてきた。
最初は聞くたびに驚いたし、行くのは怖かったけど今はもうすっかり慣れてしまった。
はやくいかないと。
私は歩く足を速めた。