しかし、妖怪の気配を発見してしまった。


「くろたーん……。妖怪の気配が有る……!!」
「どっち!?」


しかし、幸いな事にふうあちゃんが泊まってるホテルと同じ方向だ。


「南の方!」
「ふうあちゃんが泊まってるホテルの方向だね。早くふうあちゃんに会いたいけど……、妖怪退治が先だね」
「うん!」


居なくなったそうの事も関係しているかも知れないし__


「急ごう!」
「うん!そうだね!!」


窓から飛び出した、くろたんを追い掛ける。


足が軽い__
移動が早い__

風をすり抜け、自然と一体化したような気分になってしまう。


しかし、辿り着いた場所を目の前に唖然としてしまう。

だって__


「あかりちゃん……。妖怪の気配を感じたのは、ふうあちゃんが泊まってるホテルなの……?」
「うん……」


ふうあちゃんの周りの人が居なくなる。

それは、ただの噂じゃ無いんじゃないかなんて思えてしまう。


「ふうあちゃんが危ないよ!急ごう!!」


ふうあちゃん自身の事は微塵たりとも疑っていない、くろたんについてゆく。


紫のモヤが見える場所は、ホテルの最上階で嫌な予感がした。