「え、えっ!?くろたん喋れるの!?」
「今は、そんな事を喋っている場合じゃないの!!」


深刻そうな表情でこちらを見つめた、くろたん。


「えっ!?」
「今日、あかりちゃんと一緒に居た女の子……。放って置いたら危ないよ……」


一緒に居た女の子って__


「ユリカ?」
「あの子妖怪に取り憑かれているよ!」
「妖怪?」


妖怪って、あの妖怪!?


「あの子、このままじゃ危ないよ!妖怪枕返しをどうにかしなきゃ!!」


妖怪枕返し。

そういえば、ユリカは怖い夢を見ると言っていた。

なにより、最近のユリカはゲッソリとしている。



「どうしたらいいの?」
「この指輪をあかりちゃんにあげる!」
「指輪?」


何となく指を見たら、白い指輪にピンクの花模様が刻み込まれた指輪がはめられている。

しかし、これで何をしろと。


「変身して!」
「へ、変身!?」
「指輪を握り締めて、自分のなりたい姿を想像するの!!」
「えっ!」
「早く!早く!お友達の所に行かなきゃ!」


ユリカが危ない。

ユリカを助けたい__

そう祈りながら、めを閉じて指輪を握り締めた。



「あかりちゃん!変身出来た!!」
「へっ!?」