「ちょっと、部屋を見せてもらうわよ!」


そう言うと、階段を上がって行くお母さん。


部屋の扉にを開くと、猫がベットでねていた。


「わあ。可愛い黒猫!!」
「えっ?」


さっきまで、怖い表情を浮かべていたお母さんが優しい笑みを浮かべている。


「この子、名前はなんて言うの?」
「えっ……。飼っていいの……?」
「もちろんよ。で、名前は?」
「黒いから……。くろたん?」
「可愛いわね!くろたん!おいで!!」


そう言うと、お母さんの足元に移動して体をスリスリするくろたん。


お母さんも可愛いと、満足している様子だ。



「じゃあ、しっかり面倒を見るのよ!」
「う、うん……」


あのお母さんが、アッサリとくろたんを飼う事を許してくれた__

不思議に思いながら、ミルクの入ったお皿を床に置く。

嬉しそうにミルクを飲むくろたんが可愛い。



ミルクを飲み終えたくろたんを抱っこすると、ベットに横になった。



あかりちゃん……
あかりちゃん……


誰かが私の名前を呼んでいる声が聞こえる。


私は真っ暗な中にいて、声のした方向に歩いて行く。



「え、くろたん!?」


そこには、毛繕いをしながらこちらを見ているくろたんが居る。