妖怪がなにかするんじゃないかと、授業中も気配る。


ニコニコしながら、あやかの周りをうろちょろしているだけで今の所は何かをする気配は無い。


ただ、休み時間になる度に子供達と一緒に楽しそうな顔で廊下を走り回っている。

その姿は無邪気な妖怪のようにしか見えないがらあやかを不幸にしているのは確かだ。



「ねえ、あやか……」
「ん?」
「最近、おかしな事無かった?」



そう聞いた瞬間、あやかの瞳が揺れた。


「実はね……」
「うん……」
「家に一人でいる時に、ぬいぐるみが棚から落ちたり揺れたりするの……」


うわ!!

そんな事が1人の時に起きたら、怖いんですけど!!



「こ、怖くないの?」
「怖いよ……。たまに、子供の笑い声が聞こえたりするし……」


そう呟いたあやかの表情は今にも泣き出しそうだ。


間違いない。

どうにか倒さないと大変な事になる。


学校を済ませ、家に帰るとくろたんの元に急ぐ。

あまりにも巨大な力の妖怪っぽいから、倒すコツをしりたかったのだ。


しかし、くろたんはベッドの上でぐったりしてハアハアいっている。

こんな状態のくろたんを頼る訳にはいかない。