「そういえばそうだっけ……」


あたしは肩を落として呟く。


「そうだよぉ! あたし走るの苦手なのに」


里香はくしゅくしゅに顔を歪めてないてしまいそうだ。


あたしだって走るのは苦手だ。


できれば暖かな教室で授業を受けていたい。


しかし6時間目に持久走なんて最悪だ。


疲れきった体で掃除をして、休む暇もほとんどなく終わりのホームルームを聞いて、そのまま帰宅することになる。


体は汗まみれで、想像しただけで疲れ果ててしまう。


「2人とも変な顔してどうしたんだよ」


時間割の前で立ち止まっていたあたしたちに、江藤くんが声をかけてきた。


ループする原因になった本人だ。