「え、江藤君なんで!?」


慌ててメモ帳を隠すけれどもう遅い。


完全に見られててしまっている。


てっきり今もイヤホンで音楽を聴いていると思ったのに、なんで!?


「今日はなんか視線を感じるなぁと思ってたけど、緑川さんだったんだね」


江藤君がクスクス笑ってあたしを見つめる。


途端に頬がカッと熱くなるのを感じた。


「ち、違うの! これには深い事情があって、それでっ!」


慌てるあたしに江藤君はうんうんとうなづく。


「わかってるよ。今朝言ってたループがどうのこうのっていう話だろ?」


「うっ……うん……」


気が付かれているなら、うなづくしなかい。