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今日1日江藤君を見てわかったこと。


音楽が好きなこと。


友達が多いこと。


運動神経がいいこと。


「たったこれだけかぁ……」


終わりのホームルームが始まる前、メモ帳に書き出してため息を吐き出す。


1日で入手できた情報が少なすぎる。


この中にループする原因があるのは思えなかったし、なにより2月8日に江藤君は死んでしまうのだ。


どうして江藤君が死んでしまうのか。


それもわからないままだ。


1人で頭を抱えていると人影が見えて里香だと思った。


「里香、全然ダメだよ。江藤君のこと、全然わかんない」


「そっか、わからないんだ」


「うん。このままじゃまた繰り返しちゃうよ」


「どうして俺のことを調べてんの?」


「どうしてってそんなの――」


そこまで返事をしてハッと息を飲んで顔を上げた。


江藤君が椅子を近づけてあたしのメモ帳を覗き込んでいるのだ!