ひな祭りが迫ってきた3月1日。
今日はとてもいい天気で、花粉の飛散量は例年の倍になるらしい。
「亜美、目ぇ真っ赤じゃん!」
登校してきたあたしに真っ先に声をかけてきたのは里香だ。
花粉代襲来の季節にも涼しい顔をしている。
マスクで覆っていてもさほど効果はなく、涙と鼻水でおぼれてしまいそうになっているあたしとは大違いだ。
「里香はいいよね。花粉症ないんだっけ?」
「うん平気! この季節になるとみんな辛そうだよねぇ」
他人事のように言って教室内を見回す。
2年A組の半数くらいがマスクをつけていても花粉でつらそうな顔をしている。
残り半数のうち何人かは、数ヶ月前から薬を飲んで症状を抑えている状態だ。
そんな中でも花粉症を発祥していない里香は珍しい部類だった。
里香を恨めしげに見ながら自分の席に着いたとき、江藤くんが教室に入ってきた。
マスクをつけておらず、里香と同じように涼しい顔をしている。
「おはよう緑川。風邪?」
あたしの隣の席に座りながらそんな風に聞いてくるから、きっと花粉症じゃないのだろう。
今日はとてもいい天気で、花粉の飛散量は例年の倍になるらしい。
「亜美、目ぇ真っ赤じゃん!」
登校してきたあたしに真っ先に声をかけてきたのは里香だ。
花粉代襲来の季節にも涼しい顔をしている。
マスクで覆っていてもさほど効果はなく、涙と鼻水でおぼれてしまいそうになっているあたしとは大違いだ。
「里香はいいよね。花粉症ないんだっけ?」
「うん平気! この季節になるとみんな辛そうだよねぇ」
他人事のように言って教室内を見回す。
2年A組の半数くらいがマスクをつけていても花粉でつらそうな顔をしている。
残り半数のうち何人かは、数ヶ月前から薬を飲んで症状を抑えている状態だ。
そんな中でも花粉症を発祥していない里香は珍しい部類だった。
里香を恨めしげに見ながら自分の席に着いたとき、江藤くんが教室に入ってきた。
マスクをつけておらず、里香と同じように涼しい顔をしている。
「おはよう緑川。風邪?」
あたしの隣の席に座りながらそんな風に聞いてくるから、きっと花粉症じゃないのだろう。