「あ……これは文句言ってる訳じゃなくてびっくりしたって言いたいだけなんだ!普通じゃないとは思うけど──」
「──普通だもーん」
俯いた私を見て、傷ついたとでも勘違いしたのだろう。
焦って弁明を始める慎くんの言葉に被せるようにして、ふんっ!と顔を逸らしながら主張する。
それはまるで自分の主張をただただ繰り返すだけの子供のよう。
見た目通りではない食事の量を見せてしまったのだから、見た目どおりの幼稚な性格も見せて巻き返しておかなければならない。
私は幼い妹キャラなのだから。
相手が彼氏だとしてもそれは変わらない。
きっと本当の私を知ったら、彼は私を好きじゃなくなるだろう。
騙された、と怒って、好きじゃなくなるどころか嫌いになるかもしれない。
腹いせに全てを暴露され、私の仮面の下が剥き出しになるのだけは絶対に避けたいところだ。
「わかったわかった。俺の負け。かれんは普通だから、機嫌直して?」
さすが、妹がいるお兄ちゃん。
妹キャラの扱いに慣れている。
あ、どさくさに紛れて頭をぽんぽんと優しく撫でるな。
……と思ったけど同じ高校の男子の集団がこちらを見ている。
実に良い広告塔となってくれそうだ。



