「その小さい体のどこにあれだけの量を収めるスペースがあるの?」
トンカツを美味しく食し、真の目的であるゲームセンターで涼んでいるところに、心底不思議そうにこちらの体を見つめる慎くんがいた。
「え?普通でしょ?」
きょとん、と。
あえて、なんで不思議なのか不思議だという雰囲気を醸し出す。
私の食べる量が体に比例しておらず、普通ではないということはもちろん十分に理解している。
そして決して可愛くない量だということも。
しかし……食に関しては妥協することが出来ない。
人間の三大欲求の一つなのだ。
これはボロが出ているわけではない、と私は強く主張する。
「普通じゃないよ。トンカツだけでも量が多かったのに、ご飯もお味噌汁も……付け合せの野菜だってどれも特盛でおかわりしてたよね?俺、途中でめちゃくちゃ心配になってきて、自分のも落ち着いて食べられなかったよ」
確かに食事中の慎くんは最初こそは大好物を前にして嬉々として美味しそうに食べていたものの。
私がおかわりの注文をしたあとからは……いや、注文している途中から、顔がわかりやすく青ざめていき、こちらをガン見していたせいで完全に箸が止まっていた。
ガン見されながらの食事は私だって落ち着いて食べられませんでした。
と冷静にマジレスするのは良くないから黙って俯く。



