さすがに一日も休みがない、なんて鬼のような部活ではなかったものの、唯一の休息の日に『デートしたいな』なんて言えるほど可愛くも、慎くんに対する執着もない。
彼女として、いや、人としてそれはどうなんだと自分でも思うところはあるが……一緒にご飯を食べる昼休みの時間だけで好きになるのは到底無理な話なのだから、そこは見逃して欲しい。
と、ここで思考を止め、隣を歩く彼の顔をチラッと見上げる。
さりげなく車道側へと歩を進め、私の短い足に合わせて歩調を緩める高身長の彼。
今やそういったリードは当たり前の風潮となりつつあるが、それでも紳士的であることに変わりはなく、いい人なんだなと彼の良いところを知る。
というか、高校生でこれができるのって素直に凄いな。
さては彼女が出来たの、今回が初めてじゃないな?
「ん?なに?」
私の視線にすぐさま気づいた彼は、冷静さを装っているようでいて、しかし、嬉しそうに目が輝いている。
「あ、行きたいところが決まったのかな?」
「そう!んーとね、ゲームセンターはどう?」
「いいね、でも意外だったな。女の子ってオシャレなカフェとかタピオカ店に行きたがるから、かれんもそういうところ選ぶと思ってた」
悪気はないであろう一般論に内心、はっと息を呑んだ。
どこかのお店でお茶をするよりも男子高校生がよく行くような場所……バッティングセンターやボウリング、先ほど提案したゲームセンターの方が人目について、周りに対するアピールになりそうだと、つい迂闊にそこを選択してしまった。



