「先生、私どこに連れて行かれるんですか?」


そう言って、私の腕を掴み廊下を黙々と歩く葛西先生に目をむける。


「ん?おー気になるよな。
でももうちょっと待て。なんせ俺は説明が下手だからな。」


おい、だめだろ。

あなた先生でしょ!教えるのが仕事でしょーよ。


「はぁ…。」


気の抜けた返事をして、あたりを見渡す。


ここはさっき教室にくる時に通ったな…

大きな窓から明るい日差しが燦々(さんさん)と降り注ぎ、ロイヤルブルーのカーペットが敷かれた廊下がスポットライトを当てられたように輝いている。