「ーー妃名ちゃん、そういえば言い忘れてたんだけど…。」


私が屋敷の前に横付けされた車に乗り込んだ後、ドアをあけてお母さんがそう言った。


「鶯路学園ってね、

全寮制なの…!」


テヘッと笑う母親の発言にポカンと口を開ける私。


「だからコレ。必要な物は全部入ってるから大丈夫よ!」


まだ固まっている私の膝の上にドスンと、大きな皮のトランクケースを置いた。


は…?