佐和さんの言葉に、グッと怒りを抑えるが、ニコニコと余裕な表情で私を見るお母さんに苛立ちが募っていく。


「佐和さん、お騒がせしちゃってすみません。もう大丈夫です。」


私は拳を震わせながら、表情に無理やり笑顔を作り、そう言った。


「そうですか?
では、わたくしどもはこれで…。」


佐和さんとその後ろにいた人たちは、少し困った表情を浮かべながら部屋を出て行った。





「さぁ、お母さん。ちゃんと説明してもらおうかしら?」


私は自分の出せる限界の低い声で、目の前に座る母親にそう問いかけた。


「あら、説明ならさっきしたじゃない。
簡単なことよ。
…あなたを鶯路学園に入れようと思ってるって。」