「あなたのお父様は元騎士隊長。先の大戦で怪我をしたところを助けてくれたのがアズールのお母様。二人は恋に落ちたけど、お母様は魔女だったので結婚は大反対された。だけど今の王が許してくれて、城内に住むことも許可した。その子供のアズールは魔女との混血のため、少しだけ魔法が見える。そのせいで子供の頃いじめられたこともあるけれど、それも王によって助けられた。魔女の地位を上げたのは王。ランベール一家は王に恩がある。恩恵の深いアズールは、王と国を護ることを決意した。どう?合ってるでしょ?」

アズールは目を細めると何かを考えるように目線をそらす。そしてゆっくりと口を開いた。

「……驚いたな」

「信用してもらえた?」

「そうだな。だが一つだけ違う。子供の頃助けてくれたのは王ではなくシャルロットだ。シャルロットが友達になってくれた。だから俺はシャルロットにも恩がある」

なんだ……。
シャルロットに興味なさそうなふりしつつも、そういうことがあったから婚約者の話も引き受けたんじゃないだろうか。

そう推測すると、ちょっぴり胸が痛んだ。