この曇り空は私と似ていた

「久しぶりにしては上出来よ」

朝食と弁当を作り終わった時に母はそう言った。

確かに上出来だとは思う。でもまだまだこれからが大事だと思ったので、「そう?」と曖昧に返した。

「そうよ。やっぱり料理の才能あるわね」

母はそう言ってふふっと笑いを零した。

とはいえ、作ったものといえば、卵焼きときんぴらごぼうなどという、小学生では普通に作れそうな料理ばかりだ。これではまだ、才能あるとは言えないだろう。

席につき、朝食を食べ始める。自分で作ったからなのか、その分おいしく感じた。

それから身支度をし、家を出た。

すると、私は突如として目を見張った。

目の前には肩に鞄をかけた、陽果と七生がいたからだ。

「おはよー清加」

「久しぶりにこういうのもいいかなって来ちゃった」

二人は呑気そうに挨拶してくる。二人と登校するのはいつぶりだろうか。あの頃以来ぐらいの、懐かしい感じがする。

私は機嫌良さそうに挨拶を返し、三人揃って通学路を歩き始めた。

「てか、寒くない?」

陽果がそう言いながら手を震わせる。

「もう十一月下旬だもんね」