ツバサ。
私とライにとって、大切な幼馴染で親友で、同じ歳の叔父さん。

物心ついた時から一緒に居て、一緒に遊ぶのが当たり前で、互いの両親も互いの家を行き来する仲だったから、私達は大家族も同然だった。
幼い頃は、自分にとってのお祖父ちゃんをツバサがお父さんと呼んでいる事を"なんでかな〜?"って思いつつたいして気にしてなかったけど、少し成長してその意味を理解した時はお互いにめちゃくちゃビックリしたっけ。

お祖父ちゃん譲りの白金色の髪と瞳を唯一受け継いだツバサが、ある日突然「夢の配達人になる!」って言い出した時はすごくすごく、嬉しかったなぁ〜。

私のお父さんは、お祖父ちゃんが現役で夢の配達人だった時にその補佐をしていた調査員。
その話を聞いて、ずっとずっと憧れてたの。
人の夢を叶える夢の配達人を支える事が出来る調査員になる事。
そしてそれをお祖父ちゃんにそっくりな、夢の配達人になったツバサと共に実現出来たらすごいと思った。

ここだけの話、ね。
私はツバサの事が好きだった。多分、初恋。
けど、それを自覚した時にはすでに叔父さんと姪っ子は結婚出来ないって……知ってた。

だから、せめて好きな人を……。
ツバサを支えられる存在に、私はなりたかったんだ。