「あー…三岡さんと、朝倉さん…?」

修斗くんもこちらに気がついたようで、隣にいる女の子を連れてこちらにやって来た。

「しゅーくん、この人たちは…?」

女の子らしい甘えた声で尋ねるのは、修斗くんの隣にぴったりと張り付いていた女の子。細くて身長が高くて可愛くて、モデルみたいな女の子だった。

「三岡さんと、朝倉さん。高校時代の同級生だよ」

修斗くんの紹介に、ずきんと胸が痛む。

だって私達は、そんな薄っぺらい関係じゃない。

修斗くんは、私を助けてくれたことを全て無かったことにするの…?

「しゅーくんの同級生なんだあ。私はしゅーくんの彼女の絵留です。よろしくね」

その言葉を聞いて、私は腰が抜けそうになった。

当たり前だ。修斗くんにこれだけくっついているのなら、彼女じゃない方がおかしい。なのに、胸がズキズキ痛むのはなんで…?

「へええ…デート邪魔しちゃったね。楽しんでね」

萌映が引き気味に言ってくれたお陰で助かった。修斗くんは驚いたようにこちらを見ると、彼女を引き寄せてこちらに背を向けてしまった。

「莉桜、体調悪い?大丈夫?」

「うん、だいじょ…」

ぶ、と言う前に視界がぐわんと揺れた。やばい、そう思う前に私は意識を手放していた。