授業中。体調が悪かった俺は、早退することも考えながら保健室に向かっていた。


その途中に、誰かの喘ぎ声が聞こえた。


「ん…っああ…やあ…」


真昼間から何やってんだよ。俺は苛々しながら声がする空き教室を見た。


「…っ」


俺は目を見開く。服装が乱れていたのは、彼女だった。



顔を真っ赤にさせて、男に弄ばれている。




俺は耳をそばたてた。別に彼女の喘ぎ声を聞きにきたわけじゃない。本当の恋人なのかきちんと確認して、…そうしたら、仕方ないから諦めよう。




そう思っていた。




「…っおねがい、もうやめて授業戻ろ…?」




俺は目を見開いた。彼女の方から誘ってるわけじゃなくて、どうやら有賀の方から提案しているらしかった。


「まだここ触ってないよ。ちょっと脱いで」



「…やだ…」



「早く脱げ」




有賀の強い口調に圧倒されたのか、彼女はゆっくりと服を脱ぎはじめる。



俺はぱっと目を逸らした。流石にこれ以上は見てはいけない。そう思って離れようとすると、先程より大きくなった彼女の声が聞こえた。