膨らませ終えた浮き輪を緋奈に手渡すと、「ありがとうっ!」と言って満面の笑みをこちらに向けてきた。
…かわいいな。
「ねえ翔くん。もう海、入る??」
「そうだな。…緋奈、それ脱がねぇの?」
それを着て、海に入れるのか?
俺が緋奈の着ているパーカーを指すと、緋奈は途端に焦り出した。
「…あ、えっと…」
どこか恥ずかしそうな表情で視線をキョロキョロとさせている。
「ご、ごめんっ、あの、恥ずかしくて…!」
……………。
浮き輪を盾にするように抱えて真っ赤な顔をしている緋奈に、思わず俺もつられて赤くなる。
緋奈の水着姿…。
実を言うと…それを見れるのをめちゃくちゃ楽しみにしていたわけなんだが…。
って俺、ヘンタイかよ…。