ここは、雅とアキがいた場所から数メートルの位置。


あの日、なんでーーーアキは雅と居たのか。



私は分からない。


雅と、私は両想いだった。








「自分で決められないとか、ダサっ」






えっーーーー?

聞き慣れた友人。
アキの声。

そばに雅がいた。



「うるせえな。
チョコレートなんか作ったことないんだよ。
だからって、買ったのはなんか。
みなみに渡して、"バイバイ"じゃなくて"またな"って言いたい。

そして、気持ち伝えたいーー」







視界が歪む。



私は、勘違いしてただけ。


アキと居たのは、付き合ってなんか居なかった。



「うわ、ノロケうざっ。

雅にみなみ、取られたらいやだけど、仕方ないしな。
人肌脱ぎますよ!!
バレンタイン、楽しみだねっ」




友人のアキは、優しく微笑んだ。


これが、真実だったんだ。



知らなかった真実ーーーー。