「ハア……凛太郎、よく俺たちの居場所がわかったな」
走りながら聞いてみた。
「誰かのかわかんねーけどスマホが落ちてたんだよ。ハア……ハア、それで永人と青山の位置情報を見ることができたんだ」
「それ牧田のかも」
「え、そうなの?」
そんなやり取りをしてる間にもマリアは後ろから追いかけてきていた。
考えてみれば町と違って校舎の範囲は狭いから死角がない。廊下は一本道だし、どこか教室に入ってしまえばそこは密室空間に変わる。鬼ごっこをやるには完全に不利な環境だ。
迎え撃つべきか。それともタイムリミットが来るまでひたすら走るべきか。
色々な選択肢を考えていると、前方からパンッ!と音がした。
「うおっ、あぶねっ!」
緑色のなにかが凛太郎の頬をギリギリで通過している。間髪いれずにパンパンッ!とエアガンを乱射していたのは瀧川だった。
瀧川は数えきれないほどのBB弾をマリアに打っている。
その隙に俺たちは渡り廊下へと逃げ込んだ。エアガンを構えながら瀧川も入ってきて出入口の扉に鍵をかけた。
「……ハア……ハア……三花、凛太郎。大丈夫か?」
「ハア……なんとか」
みんな肩で呼吸をしている。マリアの足が速くないとはいえ、向こうは一切疲れてる様子はない。これじゃ体力がもたないかもしれない……。
「瀧川。さっきはサンキュ」
「別にお前らを助けたわけじゃねーよ」
そう言ってエアガンに弾を追加していた。すると俺たちがいたほうではない西棟の扉が開く。そこから渡り廊下に入ってきたのは牧田と保泉だった。



