マリアちゃんと鬼ごっこ



俺の記憶では朝だったはずなのに空がオレンジ色になっている。……待って。これはいつの夕方だ?

鬼ごっこが終わるまで大人しくしてろと言っていた。その言葉からして睡眠薬もかなりの量を盛られた可能性が高い。

今日はいつ? 鬼ごっこは何日目?

スマホが使えないから日付もわからない。俺はみんなの安否を確かめたくて全速力で走り出す。

町からは自分の足音しか聞こえない。まるでひとりだけ取り残されてしまった気分だ。焦りと不安で、さらに足を蹴り上げる。

「……わっ」

と、その時。なにかに(つまず)いた。転びそうになりながらもなんとか堪える。確認するように地面を見ると、そこには篠田陽菜と手島茜が横たわっていた。

「おい、しっかりしろ……!」と、ふたりの体を揺すろうとして止まる。ふたりはすでに息をしてなくて人形になっていた。

ふたりは違うグループだから行動を共にしていたとは考えにくい。とすると、ショッピングモールでバラバラに逃げて、ふたりが偶然外で合流したと考えるほうが自然だろう。

篠田と手島は同じ方向を向いている。

この道の先にあるのは……学校だ!

もしかしたら三花や凛太郎はそこにいるかもしれない。