「結局、マリアちゃんの情報はなんにも掴めなかったな」
洋館からの帰り道。凛太郎が沈んだ声を漏らしていた。一方の俺は先ほど見た資料のことを繰り返し考えていた。
……この鬼ごっこはなんの目的でやってるんだ?
マリアの強さを測るため?
だから俺たちのことを追わせて実力を試しているとか?
いや、すでに殺人鬼として名を確立されているマリアなら、こんなまどろっこしいことをしなくても強さを証明する方法はいくらでもあるはずだ。
じゃあ、なんで俺たちはこの鬼ごっこに参加させられたんだろうか。
国から選ばれた? どういう基準で?
ああ、ダメだ。考えれば考えるほど頭の整理がつかなくて、答えから遠ざかっていく。
「村瀬くん、顔色が悪いけど大丈夫?」
隣を歩く日高先生が心配そうな顔をしていた。
「え、は、はい。平気です」
先生に相談することもちらついたけど、先生だってまだこの状況に混乱してるし、国が関わってるかもしれないと話したら、もっとパニックになってしまうかもしれない。
詳しいことがわかるまでこの件は伏せていたほうが良さそうだ。



