マリアちゃんと鬼ごっこ



全員が階段に降り立つと扉は静かに閉まった。それと同時に間隔をあけて設置してある壁付きの照明が自動で灯った。

マリアを警戒して明かりは避けていたけど、地下室に窓はないから外に光が漏れる心配はなさそうだ。

階段をひたすらに降りると、だだっ広い空間が見えてきた。地下にもまたいくつもの部屋が存在してるみたいだ。

再び手分けをすることになり、俺は一番奥のドアノブを回す。音もなく開いた先には、奇妙な光景が広がっていた。

これは……実験室?

部屋の中央には手術台のようなものがあり、その側には手芸用のハサミや針が置かれている。 

……まさかここでマリアを作った?

なにかを踏んだ気がして足元を見ると、白い綿も落ちていた。不気味を通り越して気持ち悪い。

なんだか手術台を見たくなくて背を向けた。

視線を他のところに向けると、大きな本棚があった。スマホのライト機能を使って背表紙を照らす。それは書物ではなくなにかの資料だった。

目に止まったファイルを一冊抜き取って開いてみる。そこにはこう書かれていた。