「そ、それよりも地下室だよ、地下室!」
俺は慌てて話を元に戻した。見つけたと大声で言ってたわりにはなにもない。あるのは長く続いている廊下だけだ。
「見てろよ」
凛太郎がなんの変哲もない壁に手を当てた。すると、一部分の壁が横にスライドし始めた。暗闇の空間には地下へと続く階段が見える。
「隠し扉……本当にあったんだ」
三花が驚いたように目を見張っていて、凛太郎は「すげえだろ!」と得意気に言っていた。
「すごいけど、なんでここに隠し扉があるって気づいたんだよ?」
俺だったら、確実に通りすぎていたと思う。
「先生が見つけてくれたんだよ。ここだけ壁の模様が違うって」
「ええ、たまたま目に入ったから」
たしかに目を凝らすと、横並びになっているレンガ調の柄がここだけ縦になっている。どうやら熱センサーが内蔵されているようで、手をかざすと自動的に扉が開く仕組みになっているみたいだ。
「……こんなに小さいのによく気づきましたね」
「本当にたまたま目に止まったのよ」
扉はすぐに閉まってしまうそうなので、俺たちはおそるおそる中へと足を踏み入れた。



